遺体管理学

           Human remains Lab





























































遺体 の 腐敗 とその 困難性



                                                 目的、規定外の無断使用厳禁




遺体の腐敗予測は非常に難しい

 遺体の変化を予測することは非常に難しく、遺体に関する専門知識や数多くの経験を積んでも予測不能な
部分があります。
遺体の腐敗を左右する最大の原因は「死亡前の症状(状況)と死亡後の環境(状態)」であり、これらの情報がなく
遺体だけを見て「今後の変化や変化からさかのぼる(死亡時の推定)は、非常に難しいのが現状であり、
テレビドラマの様にはいきません。(日本のテレビドラマは、放送上の制約から新鮮できれいな被害者遺体か白骨)
 医療機関死亡を除く夏場の変死体は、15〜20%は腐敗遺体(東京都23区内の場合)
 ドラマの様な遺体であれば、捜査官や科捜研、法医学者も助かります

 死亡前の症状や既往歴、治療歴が不明であっても、「遺体の計測データや打音等」からの変化予測は可能ですが、
これだけでは予測精度が高いとは言えません。

 殺人や自殺、災害等の変死遺体では「法則に基づいた死後変化」の傾向がありますが、病死遺体、特に加療中の
死亡や強い症状がある状態で死亡した場合には、「予測できない変化」が起こる場合が度々見られます。
すなわち、変死遺体と病死遺体では死後変化が全く異なり、他殺や自殺、災害であっても加療後死亡の遺体
であれば、死亡状態で発見された遺体やDOA遺体とは全く異なる死後変化進行が発生します。





専門家でも、腐敗遺体から読み取る事は非常に難しい

 2010年3月29日、金沢市内の山中で「トランクに詰められた遺体」が発見されました。
殺人事件を視野に入れ(この段階では殺人と断定が出来ない)、死体遺棄事件として石川県警本部捜査1課と
所轄署刑事課との合同捜査本部が建ちました。(腐敗死体のため、切断面の生活反応が検視では確認できない)
発見者の供述では、3月22日にはトランクはなく、26日に運ぼうとしたが重くて運べず、29日には異臭があるために
警察に届け出て「トランク内に首を切断された、首から下の遺体」を発見しました。

 遺体は所轄署に運ばれ検視官や刑事による検視、その後に大学法医学教室で司法解剖を受けて、その結果として
捜査本部は死亡推定日時を「2010年1月末から3月中旬」と発表を行いました。

 遺体は腐敗しており一部に木乃伊(ミイラ)化や死蝋化が見られる点、発見者の証言から導き出した答え
であり、遺体の専門家である法医学教授や准教授、遺体の専門家であり犯罪の専門家である検視官(刑事調査官)、
殺人犯罪の専門家である1課の刑事や所轄の刑事の考えともいえます。

私が担当したスマトラ沖地震の被災遺体(7日後に海岸の砂の中から発見)では、死蝋化が進行していた

 殺人事件の犯人逮捕は時間との勝負であり初動捜査が非常に重要です。
被害者の特定や足取り、殺害日時を特定することは初動捜査においては最も重要な情報であり、これらの情報を
基として捜査が進められます

 4月2日、遺体発見が大きく報道され、これに怖くなった犯人が警察署に出頭して来ました。
犯人の供述では殺害は「2009年10月6日であり、絞殺後に首を切断して遺棄した」と供述をしました。
そして、最大の問題は死亡推定時期に完璧なアリバイがあり、その期間は犯人は「病院に入院中」でした。
そのために、捜査本部や司法解剖結果の死亡推定日時では「殺人や死体遺棄が不可能」となります。

 死体や犯罪の専門家は死亡時期を「2週間から2か月前」としましたが、真実は「6か月前」でした。
司法解剖された遺体は腐敗等の死後変化が進んでおり、正しい日時の推定や絞殺痕を見つける事はできません
でした。(絞殺の絞部位より下位で頸部切断の可能性はあるが)
この様に、専門知識を有し多くの経験を有する者でも「腐敗した遺体から情報を得る事は難しい」と言えます。

悪知恵の働く犯人ならば、自供を翻し「司法解剖結果の矛盾」を突けば無罪の可能性も出てきます。
 アメリカであれば司法取引のケースであり、かなりの減刑が期待できる案件
裁判では殺意を証明できず、傷害致死及び死体遺棄(死体損壊は?)として「懲役9年が確定」しました。
被害者は韓国人女性であり、判決に対して「罪が軽すぎる」とのクレームが韓国政府から入りました

 2013年3月、韓国大法院は量刑基準を引き上げがありましたが、韓国の基準なら15年程度?
 中国であれば、執行猶予1年付の死刑または執行猶予3年付の終身刑、または懲役20年程度?
 数年前に中国国内で日本人が逮捕(初犯)され、覚せい剤を輸出しようとしたとの罪で死刑(執行猶予1年)が
 確定し(1審)、監獄内(刑務所)で1年間おとなしくしたので死刑から終身刑に減刑されました
 以前は、覚せい剤1グラム以上所持または収賄、1人殺せば「死刑」でしたが、近年は量刑基準を下げています
 中国には「黙秘権は存在せず」、日本も「アメリカと韓国以外の国との、犯罪人引き渡し条約」しかありません






HOMEへ                                                                      ページTOPへ